先日、OBD検査がはじまり車のテレビが見られなくなるかも、というお話をしました。


興味がある人がどれほどいるかはわかりませんが、今日はOBD検査について掘り下げてみたいと思います💨
OBD検査(On-Board Diagnostics検査)は、車両のコンピュータシステムに搭載された故障診断機能を利用して車両の異常を検出する検査です。OBDシステムはエンジンや排気ガスシステムなど、車の主要なシステムを監視し異常がある場合にドライバーに警告を発します。
OBD検査は主に以下の目的で行われます。
1. 排気ガス検査
- 車両の排気ガス関連のセンサーやシステムを監視し、排気ガスが適切に制御されているかを確認します。エミッション(排出ガス)基準に準拠しているかをチェックするため、排気ガス検査の一環としてOBD検査が行われます。
2. 故障診断
- 車両に異常が発生した場合、エンジン警告灯(チェックエンジンランプ)が点灯し車両のコンピュータに異常コード(DTC: Diagnostic Trouble Code)が記録されます。OBD検査では専用の診断機器を使ってこれらのコードを読み取り、車両に発生した故障箇所やシステムの不具合を特定します。テレビが見られなくなるのはテレビキャンセラーがこれに反応する可能性があるからです💦
3. 車検におけるOBD検査
- 近年、多くの国や地域でOBD検査は車検(車両点検)の一部として導入されています。車両の排気ガス規制が厳しくなっているため、車検時に排気ガスが規定の基準を満たしているかを確認するための手段としてOBDシステムが活用されます。
OBD検査の手順
①OBDスキャナーの接続
車両のOBDポート(通常は運転席の下やダッシュボードの下にあります)に専用のOBDスキャナーを接続します。
②診断コードの読み取り
スキャナーが車両のコンピュータにアクセスし記録された故障コードを読み取ります。
③コードの分析
診断コードが何を意味しているかを確認し特定の部品やシステムに異常があるかどうかを判断します。
④修理の必要性の判断
必要に応じて部品の修理や交換が行われます。修理後、再度OBDシステムをチェックして問題が解決したかどうかを確認します。
OBDシステムのバージョン
OBD-I
初期のOBDシステムで主に1980年代から1990年代初頭の車両に搭載されています。このバージョンは基本的な故障診断機能を提供しますが、各メーカーごとに仕様が異なることが多かったです。
OBD-II
1990年代中盤以降の車両に搭載されている標準的なOBDシステム。統一された規格に基づいて設計されており、スキャナーを使用して車両のシステム状態や故障コードを簡単に読み取ることができます。現在走っている
OBD検査のメリット
迅速な診断
車両の不具合を迅速かつ正確に特定することができ修理時間やコストが減る。
排気ガスの管理
排気ガスの基準に適合しているかどうかを確認するため環境保護に寄与できる。
車両のパフォーマンス向上
異常が発見されることで適切なメンテナンスが行え、車両の性能や燃費が向上する。
まとめ
OBD検査は車両の故障や排気ガスの問題を早期に発見するための重要なツールです。特に近年の車両では車検の際にこの検査が必須となっている場合が多く、環境に配慮した車両管理や安全運転のために不可欠なものとなっています。
以上です。
なお、OBD検査の対象となる車両は、国産車であれば令和3年10月1日以降の新型車、輸入車であれば令和4年10月1日以降の新型車です。
ちなみにユーザー車検についてもOBD検査に合格しなければなりません💦